税制改正で増える手取りと、インボイスで差し引かれる額

年間の委託料 委託の所得 社会保険料 基礎控除
(改正前)
課税所得
(改正前)
所得税+復興
(改正前)
改正前の税金 基礎控除
(改正後)
課税所得
(改正後)
所得税+復興
(改正後)
改正後の税金 住民税
(目安)
改正で増える
手取り
消費税相当額
(月あたり)
インボイスで
差し引かれる額
2026年 2027年 2028年 2029年 2030年 2031年 2032年
以降

※ 色の付いた行は、基礎控除の額が変わる境目です。336万円を超えて489万円以下のとき、改正で増える手取りが最も大きくなります。改正前の基礎控除が336万円で下がるのに対し、改正後は489万円までは下がらないためです。

※ 扶養の判定は、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件(改正後62万円以下、改正前58万円以下)で見ています。判定に使うのは合計所得金額であって、受け取った金額ではありません。給与だけの場合、62万円になる給与収入は136万円です(給与所得控除74万円を引いた後)。業務委託にはこの136万円という数字は使えません。

※ 特定親族は62万円超123万円以下、配偶者特別控除の対象は62万円超133万円以下、勤労学生は89万円以下です。この一覧は扶養親族・同一生計配偶者だけを判定しています。条文はほかにも要件を定めており(生計を一にすること、年齢、控除を受ける側の所得が1,000万円以下であることなど)、この一覧は合計所得金額しか見ていません。所得税の扶養の話で、健康保険の被扶養者は別の基準です。

※ 自分が誰かを扶養している場合の扶養控除は、この一覧に入れていません。対象者の人数と年齢で額が変わるためです。

※ 働き方が「業務委託だけ」の場合、給与所得控除は使えないため、委託料から経費を引いた額がそのまま合計所得金額になります。「両方ある」の場合は、本業の給与所得と委託の所得を足した額が合計所得金額です。

※ 引いているのは基礎控除と社会保険料控除だけです。生命保険料控除・医療費控除・扶養控除・青色申告特別控除などがあれば、実際の税額はこれより少なくなります。家内労働者等の特例(必要経費を69万円まで認める仕組み。改正前は65万円)も入れていません。適用されるかは確認が必要です。

※ 住民税は目安です。基礎控除は地方税法34条2項・314条の2第2項の4区分(43万/29万/15万/控除なし)、所得割10%(道府県民税4%+市町村民税6%の標準税率)、均等割5,000円(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円+森林環境税1,000円)で計算しています。改正後の住民税の基礎控除額を原典で確認できていないため、改正前後とも同じ額としています。調整控除、自治体ごとの税率・均等割の違いは反映していません。

※ 均等割の非課税基準45万円は、この試算が置いた仮の値です。金額は市町村の条例で決まります(地方税法295条3項)。政令が定めているのは算式と上限だけで、45万円は基本額が上限の35万円で扶養親族等がいない場合を当てはめた額です。

※ 税金は所得税・復興特別所得税・住民税の合計です。課税所得は1,000円未満を切り捨て、所得税と復興特別所得税は合計額で100円未満を切り捨てています。

※ この改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分の所得から適用されます。作成時点では施行前のため、条文そのものは改正前のままです。金額は国税庁・財務省の公表資料によります。

インボイスの列は「経過措置の割合どおりに差し引かれた場合」という仮定です。会社の方針は未定です。差し引くという取扱い自体、法令が定めたものではありません。条文が定めているのは会社が控除できる額であって、支払額から差し引いてよい額ではありません。

※ インボイスの額は、月あたりの委託料に110分の10を掛けた消費税相当額に、控除できない割合を掛け、月数を掛けたものです。割合が切り替わる年は1〜9月と10〜12月で分けています。控除できない額を直接計算する定めは、確認範囲では見当たりません。作成者による当てはめです。

※ 端数処理は切り捨てで固定しています。条文は「切り捨て、又は四捨五入」の2つを挙げ、どちらによるかを限定していません(消費税法施行令46条1項6号・同附則22条1項1号)。切上げは挙げられていません。四捨五入で見たい場合は本体の試算ツールで切り替えられます。

※ この一覧は月ごとに端数処理しています。社内の計算は日ごとであるという申告がありますが、支払明細そのものは確認していません。日額5,000円・月20日で比べると、月あたり最大18円、年間で最大216円の差が出ます。

※ 経過措置には上限があります。一の相手方からの課税仕入れが年 税込1億円(2026年10月1日以後に開始する課税期間。改正前は10億円)を超える部分には適用できません。この一覧は上限を反映していません。

※ 番号を登録した場合に納める消費税(2割特例・3割特例)は、この一覧では扱っていません。本体の試算ツールに並べてあります。登録の有利不利については、どちらも述べません。

この試算は税理士の確認を受けていません。研修課が内容を把握し、聞かれたときに説明するための道具です。個別の判断は税務署または税理士に確認してください。
根拠:所得税法27条・35条・86条・89条/租税特別措置法41条の16の2/国税通則法118条1項/復興財源確保法24条2項/地方税法20条の4の2・34条2項・35条・38条・295条3項・310条・314条の2第2項・314条の3/森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律5条/消費税法施行令46条1項6号・同附則22条1項
国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月」/同「令和8年度税制改正Q&A(令和8年5月)」/同「令和8年分 年末調整のしかた」/同Q&A問113【令和8年4月改訂】
原典は社内ナレッジベース(所得税と控除、インボイス)に収録しています。詳しい前提・根拠・登録した場合の計算は、本体の「令和8年度_所得と税額の試算.html」にあります。